ブラームスってどんな人?

 ヨハネス・ブラームス(1833-1897)はドイツ生まれの作曲者であり指揮者でもあった人物だ。彼は生涯で4曲の交響曲を書いた。その中でもこの交響曲第1番は20年以上という長い年月をかけて作曲され、完成したのは彼が43歳のときであった。ブラームスは作曲の際、ベートーベンの9つの交響曲を非常に意識していたと言われる。そのためこの曲は、「ベートーベンの交響曲第10番」と呼ばれるほど高く評価された。

1楽章

  序奏付きのソナタ形式。苦悩に満ちた序奏の後、力強く、情熱的な第1主題、柔和な第2主題と、静と動が繰り返される中にも厚みのあるハーモニーが損なわれることはない。鼓動のように響くティンパの確固たるリズムで印象的に始まる。重々しい緊迫感のようなものが感じられる。その後少し穏やかな雰囲気になり、オーボエが哀愁を感じさせる印象的なソロを演奏、そのメロディは弦楽器へと引き継がれます。その後静まり返ったところに「ドン」と1つ音が入り、迫力のある主要部に入っていく。第1ヴァイオリンが奏する第1主題が徐々に高まりをみせ、その後は木管楽器の第2主題が柔らかく穏やかな表情を見せる。しかし、この穏やかさは直ぐに第1主題へと取って代わられ、再び緊張感のあるクライマックスを迎える。

2楽章

 緩徐楽章。暗い悲愴的なハ短調の第1楽章に対して、叙情的でとても気品のあるこの楽章は長調であるにも関わらず、むしろ哀愁を感じさせます。ヴァイオリンとファゴットにより主題が呈示され、続くオーボエは伸びやかで印象的な旋律を奏でます。それに対して中間部は、短いシンコペーションのモチーフを持って伴奏する弦楽器と、点で繋いだような旋律の対話が特徴的です。弦楽器のピチカートの上に、夢のように静かに消えていく独奏ヴァイオリンの音とともにこの楽章は終わりを告げます。

3楽章

 間奏曲ふうの短い楽章。第2楽章と同じく三部形式。「グラツィオーソ(優雅に)」という楽想指示には、メヌエット的な性格の楽章であるという作曲者の意図が表れている。曲はまず軽快なクラリネットで始まる。このメロディにはホルンの対旋律も絡んでいるのがブラームスらしいところです。これが変奏曲のような感じで繰り返された後,クラリネットが短調の動きのあるメロディを演奏します。再度,最初の軽快な部分に戻った後,中間部に入っていきます。最にはクラリネットの主題が戻ってきて,第1部の再現となります。この部分では,すでに第4楽章を暗示するような落ち着いた気分になり,静かにフッと終わります。

4楽章

 この終楽章は苦難を過ぎての賛歌である。冒頭はハ長調で、第1楽章の序奏の雰囲気が回想される。序奏の後半では闇を破るような勇ましい主題が、ホルンの主奏する朗らかで輝かしい音色で響いてきます。またこの楽章で演奏される第一主題は、ベートーベンの歓喜の歌に似ていると言われている。フィナーレは力強く劇的な響きで締めくくられる。

ここを聴いてほしい!by熊大フィル

「やっとの思いで演奏 -選曲から本番までの思い-」

  ブラームスの交響曲第1番は、とても有名で美しい曲です。熊大フィルでも、ここ数年は演奏したい曲としていつも挙げられていたのですが、トロンボーンの出番が4楽章のみだったり、チューバの出番がなかったりといった理由から、なかなか選ばれずにいました。今回演奏することになったのは、そういった部分はありながらも、とても美しいこの曲を演奏したいという団員の思いからだと思っています。この曲は、ヴァイオリンやホルン、オーボエ、クラリネットなど、様々な楽器にソロがあります。また、4楽章での弦楽器群のピチカートや、この楽章にかけるトロンボーンの音などにも是非耳を傾けて聴いていただけると嬉しいです。